2005年12月16日
100時間コンサルタント | (日常非日常) |
東京しか見てないで、何がコンサルタントなんだろう?
まして「百年コンサルティング」だなんておこがましい。この人はきっと、せいぜい100時間先くらいしかコンサルタント出来ないのだろう。
「エキナカ」にしても「デパチカ」にしても、実は全部関西発と言っていい。改札と駅デパを直結する試みは、たとえば鶴橋駅など、数十年の歴史があるし、ホームにコンビニ以上の店を併設する試みは、阪急の十三駅を始めとして、各地でさまざまな試みがされてきた。これも数十年の歴史がある。
デパチカに至っては、食料品売り場を駅と直結した地下に置くというアイデアにしてもそうだが、店全体の売り上げの半分以上をデパチカで稼ぐ阪神を抜きに語ることなど出来ない。
その前に自動改札のことを考えてみるのも一興だ。
SuicaはJR東日本が始めたかもしれないが、すべてのアイデアは関西のものまねでしかない。
関西では Suica のような非接触型の自動改札は、JR西日本のICOCAがようやく普及し、来年は私鉄各社のPitapaが本格的な普及期に入ろうとしている。そういう意味では Suica の立ち上げは早かった。
しかしその背後にあるさまざまな事情、政治的な駆け引きを見ないでJR東日本をヨイショすることは、素人なら許されるけれど、コンサルタントを名乗る人物にはふさわしくない。
すでに事実上全駅を自動化してしまった関西の鉄道はシステムの変更を一部の駅から手をつけるなんてことはもはや許されるような状況ではないのだ。非接触自動改札の立ち上げに時間がかかったのも、一気に全駅に導入しなければならないための準備期間が必要だったと言う面が大きい。
まだ自動化率の低かったJR東日本は、ほんの少しの駅で対応するだけの始め方でも許されたのだろう。実際、Suica の前に始めた投入型のプリペイドカード・・・あれもJR東日本が日本で最初の導入となったけれど、その時点で実際に使える駅なんて数駅しかなかった。それでも許される東京はなんとやさしい街なのだろう。
それに比べて関西人はシビアである。プリペイドカードであるスルット関西にしても、大半の鉄道会社はいきなりからほぼ全駅への導入を行っている。その準備に時間をかけたためにJR東日本の後塵を拝した、と言うこともあるが、実はそれ以上に政治的なものがあったのではないか、と思う。
関西の鉄道でプリペイドカードが導入されたのはJR東日本なんかよりはずっと早い時期だった。ただし改札に直接投入は出来ず、そのカードを使い自動販売機で切符を買うと言うワンクッションが必要だった。
なぜそのような方式だったのか・・・おそらく技術的にはあの時点でも直接投入型は可能であっただろうと思う。しかし法律がそれを阻んだのだ。
切符とは有価証券である。だから、さまざまな規制を受けている。直接投入型のプリペイドは切符と同じである。スルット関西の立ち上げは、この法規制との闘いであったと言っても過言ではない。
ようやく直接投入型が許可されるようになった時、真っ先に認可が下りたのがJR東日本だったと言うのは偶然でもなんでもないだろう。この国のシステムは依然としてそんな風に働くのだ。
それに加えて、Pitapa の場合は他に例をみないポストペイシステムを採用している。立ち上げにさらに時間を要したのもむべなるかな。この国で、最初に何かをするのは、ずいぶんとエネルギーの要る仕事になるようだ。
投稿者 shoda T. : 2005年12月16日 22:06
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コメント
ただひたすらに負け惜しみに聞こえます。
結局、柔軟さが無かったって事ですか?
投稿者 大島 敬行 : 2005年12月16日 22:17
負け惜しみ?
柔軟さ?
う?ん、おっしゃってる意味がわかりません(^^ゞ
負け惜しみでもなんでもないです。
ちょこっと試してみるのと、本格的に(全面的に)やるのとはレベルが違うってことです。
関西では来春から ICOCAとPitapaが相互乗り入れします。ま、相互と言っても、プリペイドのみの ICOCA なので、Pitapa のプリペイド機能がICOCAエリアでも利用出来るようになる、というだけのことですけどね。柔軟さはどちらにあるかは火を見るより明らかだと思うけど?(^^ゞ
要は・・・あのコラム読んでの感想として、コンサルタントなら木を見て森を見ないような文章書かないでね、っと思ったわけで・・・あれこれ知ってる限りの背景を書いただけのこと(笑
私はコンサルタントじゃないので、知ってることだけで良いんですよ、って言うと負け惜しみに聞こえる?(爆笑
投稿者 shoda T. : 2005年12月16日 22:34
>「エキナカ」にしても「デパチカ」にしても、実は全部関西発と言っていい。
「関西」というよりも、キーワードは「私鉄」じゃないでしょうか。JR以外、という意味ですね。
私は池袋の生まれですが、西武池袋線の池袋駅は、少なくのも私が子供のころ、おそらく半世紀くらい前から駅とデパートが「融合」してましたし、私鉄が大規模小売店舗を持つことが多いため、私鉄ターミナルではそういう傾向があるんじゃないかと。
自動改札や交通機関のプリペイドカードは、大規模な本格稼働という点では、西日本が早かったでしょうね。
投稿者 rcsakai : 2005年12月17日 09:21
>キーワードは「私鉄」じゃないでしょうか。
リンク先を読まずに書いたけど、あの記事の最後で「JRのつぎは私鉄」なんて書いているなあ。私の主張からすると、その発想のベクトルは逆だろ、という気がするんですが :-) 彼は私鉄の駅を知らないのか。ターミナルのような規模ではなしにしろ、「エキナカ」的なものは、以前からたくさんあるのに。
投稿者 rcsakai : 2005年12月17日 09:27
そうですねぇ、たしかに「私鉄」かも。
ただ、駅にデパート作って何してあーしてこうしてって言うのは、元々が阪急の小林翁の発想によるもので阪急デパートが最初です。その流れで宝塚まで作ってしまったわけです(笑
百年コンサルタントな方は私鉄を知らないと言うより、おそらく品川駅のような大規模なデパチカ的施設は・・・と言いたかったのかな?と言う気がします。
それはそれでわからなくはないけれど、素人が普通のブログで書いてるならそれで十分ですが、仮にもコンサルタントを名乗って(おそらく)原稿料もいただいて書いている記事にしてはあまりに能天気すぎますね :-)
投稿者 shoda T. : 2005年12月17日 19:02
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