2007年01月11日
Apple、コンピュータメーカを「廃業」。多難な iPhone など発表。 | (ニュースの視点) |
9日(米国時間)「Macworld Conference & Expo/San Francisco 2007」が開催されたが、基調講演で米AppleのCEO(Steve Jobs)は、かねてから噂のあった「iTV」改め「Apple TV」と、iPod 携帯「iPhone」を発表した。
同日、同社は社名を Apple Computer から Apple に変更した。当日は、新OS「Leopard」などの話題もなく、PCもまた新機種の話題もないということで、同社が名実ともにパソコン・メーカからデジタル家電メーカへとシフトしていることを印象付けようとしたようだ。
Apple TV は40GBのハードディスクや無線LANを搭載し、iTunes Storeで購入した動画コンテンツなどを外部のTVで再生するためのセットトップボックスで、299ドルで2月に発売される。
iPhone は全面タッチパネル化した iPod に、PDA機能と携帯電話を統合したもの。先行する BlackBerry(カナダのRIM社)や Treo(Palm OS)、あるいは WindowsMobile(Microsoft)搭載のスマートフォンの一種だ。
発売は米国向けが6月で、4GBメモリー搭載のもので499ドル。当面、キャリアも米Cingularだけだ。
国内では唯一Willcom の W-ZERO3 などが該当するこの分野、iPhone として特徴的なのはタッチパネルを採用していることくらいで、いくら大言壮語のJobsとは言え、「電話を再発明する」とは呆れ果てる。
しかも、発売前から「iPhone」という名称自体にも色々とトラブルの様子。
元々iPhone と言う商標は米Infogear Technologyが持っていたもの。2000年に同社は Linksys(米Cisco Systemsの事業部門)に買収され、商標権もLinksysに移っている。
Linksys は昨年12月18日に iPhone の名称でIP電話機ファミリを発表しており、Apple がこの製品名を使用するには前途多難と言わざるを得ない。
Ciscoによれば Appleは過去数年にわたって商標の使用許可を要請しており、最近も両社間で広範な協議を実施したという。
しかし9日現在、AppleからCiscoへ何ら連絡はないという。
日本国内でも、英文綴りは違うが「アイホン」と言う商標はアイホン株式会社が持っており、テレビドアホンとして商品化されている。
商標問題ひとつさえクリア出来ていない状態での今回の発表だが、いくら強気の商売がお得意とは言え・・・当初「iTV」と言うコード名で知られていたセットトップボックスが「Apple TV」となったことと考え合わせると奇妙だ(「Apple TV」への改名が商標権絡みなのかどうかは不明)。
投稿者 shoda T. : 2007年01月11日 12:46
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コメント
iPhone の名称についての Cisco との対立は和解したようだ。
http://www.apple.com/jp/news/2007/feb/22iphone.html
21日、両社は iPhone の商標に関する紛争を解決したことを発表した。
合意によれば、今後もアップル、Cisco両社とも iPhone の名称を使うことができ、お互いの製品について「セキュリティ分野、およびコンシューマーや企業の通信分野での相互運用性を追求する」と言う。
ただし合意内容についてはまったく不明。
英Appleとの提携内容等から考えても、Apple 社側が「金で解決」したのか、Cisco が Apple 製品を自社製品とシームレスに使えるような技術供与や提携も含むのではないかと思われる。
投稿者 shoda T. : 2007年02月23日 11:05
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