12日、日本デジコムは10日に米国のイリジウム通信衛星がロシアの通信衛星(すでに機能停止したもの)とシベリア上空790kmにおいて衝突し、破壊されたと発表した。同社は海外向けイリジウム衛星携帯電話サービスを提供している。
その結果両衛星とも破壊、数百の破片が衛星軌道上に散乱したという。
これらの衛星より低い約350kmの軌道には国際宇宙ステーション(ISS)があるが、NASA(米航空宇宙局)の発表によれば現時点では衛星の破片による障害の恐れはほとんどないという。
イリジウム衛星携帯電話サービスは、低軌道を周回する66基のイリジウム衛星で提供されている(66個が「イリジウム」の命名由来)。実際には、66個以外に数基のスペア衛星が常に打ち上げられており、30日以内にスペア衛星が、破壊された衛星の位置に移動し完全復帰するという。
それまでの間でも、イリジウム衛星自体が低軌道を高速で周回して、たえず複数個の衛星でサービスを行うため、一つの地域で長時間サービスが切れることはないと言う。
衛星同士の衝突とは珍しい事故ですが、広い宇宙とは言え、実際の衛星軌道は限られた範囲に集中しており、これまでも何度かニアミスのニュースはありました。
機能停止した衛星の排除(破壊や墜落死)や、それ以上に周回しているといわれている「ゴミ」の排除も、そろそろ本気で対策しなければならない時期に来ているようです。