2010年04月 バックナンバー

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2010年04月29日

HP、Palmを12億ドルで買収。(ニュースの視点)

28日(米国時間)、米Hewlett-Packard(HP)と米Palmは、同日の株式取引終了後、HPがPalmを12億ドルで買収することを発表した。
今回の買収は既に両社取締役会で承認されており、7月末までに買収が完了する。

そもそも PDA と云うジャンルを創出したPalmだが、1995年にモデムなどのメーカー「USロボティクス」に買収された。その後、USロボティクスをネットワーク機器メーカである3Comが買収、その子会社になった。
10年前に3Comから分社独立したが、業績不振や創業者のスピンアウトや再統合などのゴタゴタの後、Palm OS と Palm 本体の製造会社を分離した。
その後、ソフト会社(のちのPalmSource)は紆余曲折の末に、日本のACCESSが買収、子会社となっている。
ハード会社は Palm のブランド名を買い取り、Palm 社となった。
現在は、Windows Mobile搭載スマートフォンのTreo や、PalmOS5搭載スマートフォン Palm Centro など、スマートフォンにシフトして来ている。

単純な PDA から、携帯との融合によるスマートフォン化で、Palm の占める比重は低下しているが、その技術に対する評価は高く、またこの分野のパイオニアとして多数の関連特許を保有しており、HP の狙いもそのあたりにあるようだ。

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投稿者 shoda T. : 22:00 | コメント (0) | トラックバック

2010年04月22日

アドビ、iPhone用「Flash」の開発中止を公表。(ニュースの視点)

20日(米国時間)、米Adobe SystemsのFlashプラットフォーム担当主任製品マネージャのMike Chambers氏は、iPhone用Flashアプリケーション技術の開発を打ち切ると発表した。また、自身のブログでApple社との戦いがまだまだ続くことを示唆した。

Apple は Flash の開発環境はもちろん、実行環境すら提供しておらず、これまでは Abobe Systems が独自に提供することを決めていた。
しかし、Appleは「iPhone OS 4.0」用ソフトウェア開発キット(SDK)のライセンス規約を変更することで、事実上Adobeの動きを封じ込めた。

一方、Appleの広報担当のTrudy Muller氏は声明で、Appleは「オープンで標準技術なのはHTML5、CSS、JavaScript、H.264であり、AdobeのFlashは閉鎖的でプロプライエタリだ」と述べている。
一見すると Apple の主張は正当に聞こえるが、Apple こそ閉鎖的でプロプライエタリ(独占的で専属的)な企業であり、全ての製品において同様の戦略を執っているわけで、Adobe を批判することは出来ないはずだ。

また、将来的にはオープン仕様である HTML5 が主流となって行くのは間違いないだろうが、現実的な問題として、Flash を多用した WEB が多数存在するのは事実であり、Flash で作成されたアプリも多数存在する。
そのような現状で Flash をサポートしないばかりか、自社製品から排除しようとする Apple の独善的な姿勢こそ批判されるべきものだ。

Apple は、Flash と云うプラットフォーム独立で、WEB からアプリまで対応可能な技術が iPhone などの開発環境の主流になってしまうことで、iPhone の独自性と云うか、アプリの「囲い込み」が出来なったり、主導権を失うことを恐れているのではないだろうか。

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投稿者 shoda T. : 19:11 | コメント (0) | トラックバック

2010年04月14日

解体進むライブドア。(ニュースの視点)

12日、株式会社LDH(持ち株会社で元ライブドア・ホールディングス)は同人ソフト販売サイト「DLsite」を運営する(株)エイシスの全株式をゲオに譲渡することを発表した。譲渡額は19億円。
また同日、LDHは子会社の(株)ライブドアの全株式をNHN Japanに63億500万円で譲渡することを決め、契約を締結した。株式譲渡は5月10日の予定。

エイシスはライブドアの子会社であるため、LDHは一旦ライブドアよりエイシスの全株式を19億円で取得し、ゲオに譲渡する。
ライブドアは株式譲渡に先立って、LDHをはじめとした株主に30億円の配当を実施する。これでLDHは最終的に総額93億500万円を得ることになる。

ライブドアを買収するNHN Japanは、韓国最大のインターネットサービス会社である NHN の日本法人で、「ハンゲーム」日本版サイトなどを運用している他、検索サービス「NAVER」などを運営するネイバージャパンの親会社でもあるが、NHN Japan として日本独自の事業なども行っている。

ライブドアは、ポータルサイト「livedoor」や、ブログサービス「livedoor Blog」などの運営の他、データセンタ「DATAHOTEL」などの事業を行う、ライブドア本来の事業を担う会社である。
ネイバージャパンは、ライブドアのポータルサイトやブログなどのコンテンツを組み合わせ「日本最良のインターネット企業」を目指すという。
NHN Japanは、NAVERの検索技術をライブドアに提供する可能性はあるもののライブドアの経営面における独立性のみならず、社名や livedoor等のブランド名、役員や従業員の雇用等々、すべての面に渡って継続性を維持する方針という。

LDHはすでに昨年には(株)セシールを売却しており、今回の(株)ライブドアで主要な事業はすべて売却することになる。残る連結子会社は数社のみとなる。

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投稿者 shoda T. : 20:44 | コメント (0) | トラックバック

2010年04月08日

緩慢なる死へ向かうのか、Itanium は。(ニュースの視点)

Microsoftが2日の公式ブログで明らかにしたところによれば、Itanium をサポートするWindows Serverは、現行版「Windows Server 2008 R2」が最後のバージョンになると云う。
同様に、現行の SQL Server 2008 R2 がデータベースの、Visual Studio 2010 が開発者ツールの最終版になるだろう。

Intel は2月に「Itanium 9300」を発表するなど、依然として Itanium の機能強化とサポートを継続していくことを明確にしているが、これまで Itanium を使ったサーバを提供していたサーバメーカの多数も、Itaniumから x64 ベースへとシフトして来ている。
CPU機能の強化がどれだけはかられようと、Windowsサポートが無くなれば事実上のOS選択は Linux だけとなり、最近のサーバOSシェアでの Windowsの伸びを考えれば極めて不利な状況に陥ることは否めない。

かつて Windows(NT)は x86 の他に、DEC Alpha、MIPSそして PowerPC に対しても供給されていたが、CPUの製造&サポートの終了や、ユーザの減少等で打ち切られている。今回の Itanium へのサポート終了は、同じ流れを汲むものであり、これらのCPUと同様に、Windowsサポート終了が Itanium の寿命そのものをも縮めてしまうかもしれない。

かつてモトローラの 68000 シリーズ、そして PowerPC と変遷して来たアップルも今は Intel x86 ベースになってしまった。Intel 独り勝ちのようにも見えるが、Intel 内部でも Itanium を最後として、他の多くの 非 x86なプロダクトは終焉してしまった。
携帯などのポータブル機器では ARM などの非 x86 ベースのCPUが主流とはなっているが、PCの世界は完全に x86 だけが唯一の生き残りとなってしまうようだ。
PC世界では、いかに過去との互換性が重要であるかを、結果的に証明した格好となったわけだ。

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投稿者 shoda T. : 19:27 | コメント (0) | トラックバック

2010年04月01日

国内でも本格化するスマートフォン販売。(ニュースの視点)

国内での所謂スマートフォンの販売は、iPhone が独り勝ちの状態だが、国内キャリアは相次いで iPhone 以外の機種の販売を本格化させる。

4月1日、NTTドコモは Android 1.6搭載のソニーエリクソン製のスマートフォン「Xperia(SO-01B)」の販売を開始した。すでに予約だけで5万台の受注があるという。

これをけん制するかのように、3月30日、au(KDDI) はシャープ製のスマートブック「IS01」と、東芝製スマートフォン「IS02」を6月上旬以降に発売すると発表した。
ただし、発売が6月以降であることや、IS01が Android 1.6、IS02 は Windows Mobile 6.5.3搭載であること。IS01は通話は可能だがハンズフリー通話のみであることや、ezweb メールには8月以降のアップデートでしか対応出来ないことなど、「間に合わせ」感は否めない。

一方で、iPhone を独占しているソフトバンクモバイルだが、もう一つの選択肢として、HTC製のAndroid搭載スマートフォン「HTC Desire(X06HT)」を4月下旬に発売すると3月28日発表した。
HTC はGoogle の Nexus One の製造元であり、HTC Desireは一部の仕様が異なるものの、最新の Android 2.1 を採用するなど、実際のところほぼ Nexus One と同等のものだ。
HTCはすでにWiMAXにも対応した上位機種 EVO 4Gの今夏発売を発表しており、いずれ国内にも導入されるだろう。

また、京セラも米国で Android 1.6搭載のスマートフォン Zio M6000 を発表しており(発売は第二四半期)、いずれは国内市場にも投入する可能性が高い。

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投稿者 shoda T. : 12:57 | コメント (0) | トラックバック