20日(米国時間)、米Adobe SystemsのFlashプラットフォーム担当主任製品マネージャのMike Chambers氏は、iPhone用Flashアプリケーション技術の開発を打ち切ると発表した。また、自身のブログでApple社との戦いがまだまだ続くことを示唆した。
Apple は Flash の開発環境はもちろん、実行環境すら提供しておらず、これまでは Abobe Systems が独自に提供することを決めていた。
しかし、Appleは「iPhone OS 4.0」用ソフトウェア開発キット(SDK)のライセンス規約を変更することで、事実上Adobeの動きを封じ込めた。
一方、Appleの広報担当のTrudy Muller氏は声明で、Appleは「オープンで標準技術なのはHTML5、CSS、JavaScript、H.264であり、AdobeのFlashは閉鎖的でプロプライエタリだ」と述べている。
一見すると Apple の主張は正当に聞こえるが、Apple こそ閉鎖的でプロプライエタリ(独占的で専属的)な企業であり、全ての製品において同様の戦略を執っているわけで、Adobe を批判することは出来ないはずだ。
また、将来的にはオープン仕様である HTML5 が主流となって行くのは間違いないだろうが、現実的な問題として、Flash を多用した WEB が多数存在するのは事実であり、Flash で作成されたアプリも多数存在する。
そのような現状で Flash をサポートしないばかりか、自社製品から排除しようとする Apple の独善的な姿勢こそ批判されるべきものだ。
Apple は、Flash と云うプラットフォーム独立で、WEB からアプリまで対応可能な技術が iPhone などの開発環境の主流になってしまうことで、iPhone の独自性と云うか、アプリの「囲い込み」が出来なったり、主導権を失うことを恐れているのではないだろうか。