2010年08月 バックナンバー

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2010年08月27日

グーグル、「Gmail」からIP電話を開始。(ニュースの視点)

25日(米国時間)、米Googleは「Gmail」アカウントから通常の電話番号に音声通話をかける機能を開始した。今のところ、米国のGmail ユーザのみだが、米国内およびカナダへの通話は無料、フランスや英国などの一部の国への国際電話は2セント/分となる模様。
米国外にも提供する予定のようだが、提供予定日はまだ未定である。

Gmailユーザは、Google VoiceアカウントをGmailアカウントとリンクさせてGmailの受信箱を電話回線のように扱うこともできるが、Google Voiceアカウントがなくても利用は可能なようだ。
Google はとりあえず、米国・カナダへの無料通話は今年中は提供するとしているが、その後有償化するのかどうかは未定。
この機能は Skype などのIP電話と同等だが、今後 Google が同分野へ積極的に進出するつもりなのかどうかはわからない。

Google は先に Wave の開発中止を発表したが、今後はコミュニケーション機能を Gmail に集約して行くことは間違いないようだ。その一端として、音声通話機能も集約しようとしていることは間違いないが、どこまで本気で提供を考えているのか、まだ先は読めない。

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投稿者 shoda T. : 12:33 | コメント (0) | トラックバック

2010年08月22日

Intel、セキュリティ企業McAfeeを76億8000万ドルで買収へ(ニュースの視点)

19日(米国時間)、米IntelはMcAfeeの全普通株式を1株当たり48ドルの現金で買い取るための正式契約を結んだことを発表した。両社の取締役会は、買収を承認しているという。

Intelの最高経営責任者(CEO)Paul Otellini氏は「多種多様なインターネット接続機器の急速な成長拡大に伴い、われわれの生活の中のますます多くの要素がオンラインへと移行した。これまでは、エネルギー効率性能と接続性がコンピューティング要件の中心だったが、今後は、セキュリティがすべてのコンピューティングエクスペリエンスにおける人々の要求の3番目の柱として、これらの要素に加わるだろう」としている。

あくまでもチップビジネスを中心に据える Intel ですから、McAfee の買収も McAfee の技術をハードレベルで組み込むことが最大の目的のようです。
特に重視しているのは、ワイヤレスやモバイル分野でのセキュリティ機能の強化にあるようです。

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投稿者 shoda T. : 16:13 | コメント (0) | トラックバック

2010年08月12日

HPのハードCEOの辞任劇で、株主がハード氏と取締役会を提訴。(ニュースの視点)

6日(米国時間)、米ヒューレット・パッカード(HP)は同社会長兼最高経営責任者(CEO)のM.Hurd(ハード)氏がセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の訴えに対する調査を理由に辞任したことを発表した。

ハード氏は約5年間にわたりHPを指揮し、経営手腕は高く評価されていたが6月下旬に、同社のマーケティング業務を契約で請け負っていた女性が性的嫌がらせを受けたとしてハード氏を告発。外部の契約会社からの手紙でこのことを知った同社取締役会は満場一致で、ハード氏の行動は業務遂行規範に対する違反であるとしている。
また、辞任を受けて後任には暫定的に最高財務責任者(CFO)のC. Lesjak氏が就任する。

HPの法律顧問によれば、ハード氏はこの女性と2007~9年の2年間、親密かつ個人的な関係を持っていたが、取締役会に報告していなかったことや、報酬や不正な費用の弁済をハード氏から受けていたことなどが業務遂行規範に違反する行為であったとしている。

これに対し、株主であるBrockton Contributory Retirement Systemは、HPの取締役会、ハード氏、暫定CEOのLesjak氏を相手取り、ハード氏の辞任に際して信認義務を怠ったことなどを理由にカリフォルニア州サンタクララ郡高等裁判所に提訴した。
訴状には「Hurd氏、Lesjak氏、取締役会の失策により、HPの信頼性が大きく失墜した」と書かれていると云う。

一方、ハード氏の友人でOracleのCEOであるLarry Ellison氏はこの決定に対し、HP取締役会を非難するメールをThe New York Timesへ送っている。
Ellison氏は、HPの独自調査においてセクシュアルハラスメントの訴えに対する事実が見つかっていないことから、ハード氏を解任すべきでなかったと述べている。OracleはHPとは競合関係にあり、資本関係はない。

きっかけはセクハラ告発ですが、どうもセクハラと云うより「痴情のもつれ」か「別れ話」かその種のTVドラマ紛いの事が、HPの会長室で起こっていたようです :-)
それにしても、いくら友人とは言え、Ellison氏も大人げないと云うか・・・オーナー経営者であるEllison氏にとっては、そんなドラマめいた情事や会社の私物化など全く問題じゃないってことなんでしょうか(-_-;)

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投稿者 shoda T. : 19:13 | コメント (0) | トラックバック

2010年08月06日

Google、「Wave」の開発を中止。(ニュースの視点)

4日(米国時間)、米グーグルはリアルタイムのコラボレーションサービス「Wave」の開発プロジェクトを中止すると発表した。
Waveの公開は年内限りとし、Waveで開発された技術は他の製品へ応用していくが、Waveそのものの開発は打ち切る。

Waveは2009年5月に発表され、電子メールやインスタントメッセージ、SNS、文書共有などの様々な機能を融合したサービスとして、Google が意欲的に取り組んでいたもので、最終的には Google のサービスの多くをこれに統合するかの如く喧伝していたものだ。

同社フェローのウルス・ヘルツル上級副社長は「Waveは我々が期待したほどには利用者へ受け入れられなかった」と公式ブログで説明している。
結局のところ、開発チームの意欲とは裏腹に、いまいちコンセプトの明確ではない(どこが画期的?)ことが、そのままユーザの評価につながったようだ。

それにしても変わり身の速い Google には感心する。

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投稿者 shoda T. : 12:10 | コメント (0) | トラックバック

2010年08月01日

Yahoo! JAPAN、検索事業で Google と提携。(ニュースの視点)

7月27日、ヤフーはGoogleとの検索事業での提携を発表したが、内容は同社がGoogleから検索エンジンと検索連動型広告配信システムの提供を受けるだけでなく、見返りにオークションやショッピング等のヤフーのサービスのデータをGoogleに提供すると云うもの。

ヤフー(日本法人)は、他国の Yahoo! と異なり、筆頭株主であるソフトバンクが約40%を保有しているソフトバンク傘下の会社だ(米Yahoo!の持株は約35%で第二位)。
そのため、米Yahoo!とは異なる戦略を取ることも多い。
現在は米Yahoo!の検索エンジンを利用しているが、米Yahoo!がMicrosoftと提携し「Bing」の採用を決定したため、対応を迫られていた。

Microsoftは、日本における検索市場はGoogleが51%、二位のヤフーが47%を占めており両社が提携すれば、日本市場は実質的にGoogleの独占状態になり、市場競争というものは存在しなくなる、と批判している。
これに対しヤフーは「(この提携は)検索エンジンと検索連動型広告配信システムに限定されており、サービス自体はそれぞれが独自で行うためGoogleとの競合関係はこれまでと変わらない」と説明。公正取引委員会も事前の相談では、問題がないとしていると云う。
公取委の松山隆英事務総長も「事前に受けた説明内容であれば、直ちに独禁法上の問題にはならない」と述べた。

しかし元々、米Yahoo!とGoogleが計画していた提携に対して、米司法省が独占禁止法に抵触する恐れを懸念したため実現せず、後に米Yahoo!は問題とされる懸念のないMicrosoftとの提携に踏み切った経緯がある。
そのため、今回のヤフー(Japan)とGoogleの提携に日本の公正取引委員会が問題無しとしていることに、欧米のみならず、日本国内でも驚きの声があがっている。

Google が強いのは、検索結果をフィードバックして、検索エンジンの最適化と質的向上を図れると云う検索エンジンの特性によるところが大きい。
Google の独占が進めば益々他の検索エンジンの入り込む隙がなくなるわけで、さらに独占が進むだけでなく、波及するサービスもまた多様だ。
また中国の例を出すまでもなく、検索エンジンを操作することで情報操作もまた簡単に行えるため、一社による独占は、様々な危険性をはらんでいることも事実だ。

公正取引委員会は、「たかが検索エンジン」と軽く見すぎているのではないだろうか?

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投稿者 shoda T. : 17:04 | コメント (0) | トラックバック