滋賀県職員に支給される通勤手当で、54人の職員が計638万円を不適切に受給していたことが、昨年度の県監査委員の定期監査でわかった。
県監査委員は、インターネットの無料地図ソフトを使い県職員の通勤経路とそれに伴う通勤手当の額が適正であるかを調査した結果、54人の職員について支給申請時の距離の水増しが判明したという。
滋賀県の通勤手当は、自転車やマイカー通勤する場合、走行距離が最短2Km以上の場合に支給され、職員が申請した通勤距離について、所属長が地図上で距離を確認する仕組みになっている。
県監査委員の定期監査によれば、不適切受給者は2007年度は2人で計3万円、2008年度は6人で計66万円だったが、昨年度から地図ソフトを導入した結果上記のように飛躍的に増えたという。
つまり、これまでは形式的な監査だけど、よほどひどい不適切以外はスルーされていたわけだ。
経路探査ソフトの威力、おそるべし(笑
たとえば自転車の通勤手当を受けていた職員は、自宅から駅までの距離を2.3Kmと申告していたが、実際は1.7Kmで受給資格がなかったことになる。実際は14年間で約60万円を受給していた。
県人事課は「最短の距離を測るのは難しいこともあり、事務的ミスに伴うもの。確認をする所属長に地図ソフトを活用するよう呼びかけている」と しており、過去の不正受給の返還請求をする等の具体的な対応はなさそう。
ま、こういう不正受給って、企業なんかでも多いんでしょうけど、お役所は特に多そうです。
私の周りでも、実際に手当を受けてるかどうかは知りませんが、歩いても10分程度の職場まで車で通勤している人も知ってますし、1.5Kmくらいしかないのに通勤手当をもらって車通勤しているらしい人も知ってます。
逆に、企業などでは、新しい路線が出来て、そちら経由の方が便利なのに定期代が高いため認められずに不便な従来の経路を、という例も聞きます。
時間と費用の総コスト、という考え方は、なかなか計算が難しいから導入は難しいでしょうが・・・Google や地図ソフトの経路探索は、こういう方面でもかなり使えそうですね。