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2005年11月30日

やりきれない(日常非日常)

広島の女児殺人事件の容疑者として日系ペルー人が逮捕されたと言う。
彼が真犯人かどうか知らないし、なぜ事件を起こしたのかもまだわからないから直接の論評は避けるべきだろう。
が、この報道に限らず、直接伝え聞いた各地でのあれこれなど・・・そして昨今ますます増加している日本特有のスパムメールの内容などなど、一見なんの関係もないかもしれないことが連綿と続く何かを暗示するようで、なんともやりきれない思いでいっぱいだ。

日系ペルー人を自称している容疑者だが、実際に日系かどうかもわからないというし、わずかに伝えられているこれまでの生活ぶりからは、確信犯ではないことは確かなようだ。
とすれば彼に何があったのか(犯人だとして。いや、犯人ではないとしても)。

まず日系人かどうか・・・日系人であれば滞在(就労)ビザが取りやすいのだろう、それを狙って中南米では日系人を装う偽造パスポートが多数出回っているらしい。
写真で見る限り、日系だとしても日本人の血はかなり薄そうだ。
彼もまた日本での「稼ぎ」を期待してこの手のものを入手して来日したのであろうか?
しかし言葉だけではなく、さまざまな「壁」はかなり厚かったことは容易に想像できる。仕事も休みがちであったと言うし、近隣同僚友人との交流もほとんどなかったのではないだろうか。
「逃亡先」の鈴鹿にはホンダの工場があり、ここは日本でも有数の外国人比率の高いところだ。行くあても、帰国するあても無い彼が流れ着いたのも、」当然といえば当然の帰結なのだろう。事件との関係はわからないが。
鈴鹿には姉夫婦が住んでいるというけれど、その近くの知り合いのアパートに潜んでいたのも、彼の如何ともしがたい心情を物語っているようでかなしい。

ところで、この事件に「触発」された多くの日本人の行動にも、わからなくはないけれど、何か釈然としないものを感じる。
知り合いの中学の先生は毎夜のように9時ごろ、通学路の見回りに駆り出されているという。ほとんど必要性は感じないけれど、近隣の小学生を持つ保護者を中心に「対策」を求められている以上は何もしないわけにはいかないのだという。
親や祖父母を中心とした「自警団」を見回りに立たせている地区もまた限りなくあると言う。そこまで・・・

ところで、ますます増加するスパムメール・・・その多くが「逆援」への誘いであるのはどうしたわけなのだろう?
「逆援」とは「逆援助交際」つまりは、「援助交際」が女(特に未成年)が男に「買われる」のに対して・・・というわけだが、そもそも「援助交際」と言う言葉にしても奇妙だ。
日本では売春は禁止されている。だから「援助交際」?
他にもデジヘルだのなんだのと、奇妙な用語が氾濫する。
まるで、実質的に軍隊でありながら「自衛隊」と言い張るのと同じではないか。なぜ言葉だけで誤魔化す?
なぜはっきりと「売春」と言わないのだろう?「軍隊」と言わないのだろう?
禁止しているのなら、キッパリと売春と言い切って取り締まるべきだろう。

それとも見えない振りをすれば、存在しないと言うのだろうか?
そういえば、日本は単一民族からなる純粋な国だと言い張る人もいたな。近年トミに増えている外国人就労者はもちろん、在日外国人の存在など目にはいらないらしい。
一見何の関係もないことでありながら、微妙に通底しているようで、なぜかかなしい。

投稿者 shoda T. : 2005年11月30日 18:43

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