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2006年05月18日

総務省、Winny通信の遮断は「通信の秘密」を侵害と裁断(ニュースの視点)

大手ISP(インターネット接続プロバイダ)「ぷららネットワークス」が今月中旬から始める予定で3月に発表したWinny通信を検出して遮断するサービスについて、17日までに総務省は違法性が高いと判断、これを受けてぷららは同サービスは中止するもよう。
ただしぷらら広報は「総務省の判断にしたがう。ただ通信の秘密を侵害しないような他の方法でWinny問題に対処できるかどうか、引き続き検討していく」としており、完全に断念したわけではないようだ。

ぷららの計画では、ISP網上の通信機器でパケットのパターンをチェックし、Winnyと思われる場合に通信を遮断すると言うもの。この点が通信の秘密を侵害する恐れがあるとして総務省が検討をしていたが、「ぷららの措置は、電気通信事業法で定めた通信の秘密を侵すと考えられる」(総合通信基盤局消費者行政課)と判断した。
ただし通信の秘密を侵すとしても、電気通信や郵便事業などの「正当な業務」とみなされれば違法性はなくなるが、この点についても総務省は「正当な業務として認められない」と判断した。

ま、まっとうな判断と言うべきだろう。そもそもWinnyそのものは悪でもなんでもないし、問題となっている情報流出にしても、Winny そのものの機能として不用意な流出が起こっているわけではない。Winnyに特化したウィルスがWinnyの機能を悪用することで流出しているのだから、同様な問題を孕んでいるブラウザ等々やWindowsそのもののセキュリティホールなども同罪と言うことになってしまうはずだ。
また、P2PソフトはWinny だけではない。たまたまWinnyの名前だけが一般に知れ渡ってしまっただけで、ぼちぼちと被害が表沙汰になってきている「Share(仮称)」などなど、予備軍はたくさんある。Winnyだけに特化した「サービス」など話題作り以外の何物でもないと思うのだが・・・

投稿者 shoda T. : 2006年05月18日 18:19

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コメント

とりあえずWinnyを悪者にしておけー、みたいな。
Network WorldにもWinny関連記事が掲載されていますが、「Winnyだけが悪者じゃない」(だけ、にひっかかります(-_-;))とは言っていますが、全体の論調はWinnyの使用そのものが悪いというような印象を受けました。なんだかなー。

ついでに、ご存知かもしれませんが、こんなのも貼っておきます。

ISP規制情報
http://isp.oshietekun.net/index.php?FrontPage

投稿者 水野 : 2006年05月18日 22:44

総量制限や帯域制限はある意味仕方ないでしょうね。
ただ、ISPによってはかなりひどいことをしてるとこもあるようなので、今回の総務省の見解がどこまで影響を与えるか、ですね。

投稿者 shoda T. : 2006年05月19日 01:40

けっきょく、ぷららは7月19日から個人向けのWinny通信遮断サービスを始めるようだ。
Bフレッツ対応接続サービスの利用者に向けたセキュリティ・サービス「ネットバリアベーシック」に「Winnyフィルタ」機能を追加してのサービス提供となる。
このサービスは基本サービスなので該当ユーザには無償かつ初期値としてはフィルターONなのだという。
だから Winny を使おうとすれば、このフィルターをOFFにするだけでなく、同じネットバリアベーシックサービスの機能「パケットフィルタ」もOFFにする必要がある。
Bフレッツ対応に限定しているのは、この機能に対応出来る最新設備があるのはBフレッツ対応接続サービスだけだから :-)

また、9月からは勤務先の企業がぷららと契約して、自宅でぷららを利用中の社員に対して Winny通信遮断サービスを利用させる「企業向けネットワークスポンサー制度」を始めるという。勤務先がこの制度を利用した場合は、ユーザはWinnyフィルタを解除出来なくなる。見返りに接続料金の一部を企業が肩代わりする。

先の総務省見解に対しては、すでに提供している「フィルタリング機能」の一部として提供することでクリア出来ると見ているようだ。つまり「フィルタリング機能」そのものも同様に通信の秘密侵害に抵触する可能性があるが、すでに提供しており且つ「ユーザーの同意を得る」という前提があるため、総務省も問題ないと判断しているとみなしているわけだ。
実際、総務省が提示したのは、

1.ユーザーがWinny通信のフィルタに一度同意しても,随時設定を変更
 できること。
2.ユーザーがフィルタリング・サービスに同意しているかの有無に関係
 なく、他サービスと提供条件が同一であること。
3.フィルタリング・サービスの内容が明確に限定されていること。
4.通常のユーザーであれば、Winny通信の遮断が合理的であると推定
 されること。
5.ユーザーに対してWinnyの遮断について事前に十分に説明すること。

と言った内容であると Nikkei ITPro は報じている。

それにしても Winny だけかよ?、と言うのが識者の一致した反応ではないだろうか。
確かに現状では Winny 自体はこれ以上進化はないだろうし、遮断は出来るかもしれない。しかしそれは単にすでに進行中の Winny 離れを加速するだけで、何の実効ももたらさないのは火を見るより明らか。ぷららとしてはこれで「名を上げ」られれば十分元は取れるということかもしれないが・・・

しかし勤務先企業によって一部料金の肩代わりと云う美味しさはあるものの、ネットワークスポンサー制度と云うのは如何なものか。自宅環境まで勤務先にコントロールされることをどれだけの人が快く受け入れるのかは知らないが、本来対策すべき「人物」であればプロバイダの乗り換えを考えるだろうし、子供たち等々による勝手な Winny インストールを心配しての対策だとしたら、Winny 離れが進行すれば無意味なものとなるだろう。いずれにしても短期の話題作り以外、何の効用もなさそうな機能にしか見えない。

投稿者 shoda T. : 2006年06月14日 14:10

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