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2006年09月21日

冬来たりなば(本)

オリオンのことを書いていて、ふと思い出したのが、表題のような題名のSF短編。
あるいは「春遠からじ」だったかも・・・
これは小松左京のショートショート(ジュブナイル)で、さしてストーリーと言うほどのものはないのだが、遠未来の氷河期の物語。
子供たちが遠足で向かう先は「春の館」と言う、一種の博物館なのか科学館なのか、そういう施設。そう、氷河期と言うのがポイントで、そこは永遠の春を展示しているわけだが、実際の外部は永遠の冬で、子供たちは春と言うものを知らない・・・「冬来たりなば春遠からじ」・・・ではないわけだ。

この小説は、たぶん私のSFの原体験と言ってもいい気がする。少なくとも小松左京との出会いであったのは確か。さしてストーリーはないけれど、強烈な印象を与えられた作品である。
と言っても初めて読んだSFではない。初めてSFと意識して読んだのは、題名は忘れたがフォボスとディモスを巡るロボットの活躍を描いたジュブナイルで、単行本だった。従兄弟か誰かのお下がりだ。しかしまぁ、さして深みのある作品でもなかったし題名も中身も全然憶えていない。

それに比べて、小松左京の作品は強烈に印象に残っている。
実はこの作品が一番インパクトがあり記憶に残っているのだが、他にもいくつかショートショートがあった。その年、小松左京は学習研究社の「科学」にジュブナイル・ショートショートを連載していたのだ。
ただ、小松左京ホームページなど、ネットで検索してもこの事実を確認することも、作品の存在さえ確認することが出来なかった。
『冬来たりなば』と云えば、星進一の有名な作品があるが、こればかりが引っかかる orz
ふ?む、こんなステキな作品群が歴史から葬り去られているとは、少し寂しい気がする。

投稿者 shoda T. : 2006年09月21日 19:19

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