2008年10月09日
ノーベル賞狂想曲・・・ | (ニュースの視点) |
6日(現地時間)、スウェーデンのカロリンスカ研究所は今年のノーベル生理学・医学賞に、仏パスツール研究所のフランソワーズ・バレシヌシ教授、仏世界エイズ研究予防財団のリュック・モンタニエ博士、独がん研究センターのハラルト・ツア・ハウゼン名誉教授の3人に贈ると発表した。
モンタニエ氏とバレシヌシ氏は、HIV(ヒト免疫不全ウィルス)の発見者として賞金の半額(個々に1/4づつ)を、ツア・ハウゼン氏はHPV(子宮頸がんを引起こすヒトパピローマウィルス)の発見者として残りの半額を受け取る。
7日、スウェーデン王立科学アカデミーは同物理学賞を米シカゴ大学の南部陽一郎名誉教授と日本の高エネルギー加速器研究機構の小林誠名誉教授および京都大学基礎物理学研究所名誉教授で京都産業大学の益川敏英教授に贈ると発表した。
南部氏は1960年に提唱した自発的対称性の破れという理論が素粒子物理学の標準モデルの構築の要となった功績で賞金の半額を受け取る。
南部氏は日本生まれだが1950年代に渡米、後に米国に帰化した。
小林氏と益川氏は1972年の対称性の破れが素粒子(クオーク)にどのように働いているかについての理論に対するもので、賞金の残り半額を二人で等分する。
なお、小林氏と益川氏の理論については、イタリア・ローマ大学のニコラ・ガビボ教授が60年代に基礎となる理論を提唱しており、しばしば「ガビボ・小林・益川理論」として引用されている。このため、イタリアなどヨーロッパを中心として、同氏だけが受賞から外されたのは納得出来ないと反論が出ている。
8日には同化学賞を、米ウッズホール海洋生物学研究所の元上席研究員で米ボストン大学の下村脩名誉教授と、米コロンビア大学のマーティン・チャルフィー教授および米カリフォルニア大学のロジャー・チェン(銭永健)教授に贈ると発表した。
下村氏は、蛍光を発するクラゲのたんぱく質(GFP)の発見の功績で、チャルフィー氏とチェン氏はGFPをトランスジーンとして異種細胞に導入・発現させることに成功し、生体内でのたんぱく質の研究に貢献した功績が評価された。賞金は三等分される。
下村氏は日本生まれだが1960年代に渡米、現在も米国に居住(国籍は日本)。
あと、9日には文学賞が、10日には平和賞、13日には経済学賞が発表される。
投稿者 shoda T. : 2008年10月09日 21:36
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9日(現地時間)、スウェーデン・アカデミーは今年のノーベル文学賞を、フランスを代表する作家のジャン・マリ・ギュスターブ・ル・クレジオ氏に授与すると発表した。
授賞理由について「新しい出発や詩的冒険、官能的な恍惚を描いた作家で、現代文明を超越する人間性を探った」としている。ル・クレジオ氏は日本でもよく知られ翻訳も多数出ている。また、ニースを舞台にした代表作「海をみたことがなかった少年」は映画化されている。
10日、ノルウェー・ノーベル賞委員会はノーベル平和賞を旧ユーゴスラビアやインドネシア・アチェなどで和平の調停役を務めたマルッティ・アハティサーリ前フィンランド大統領に授与すると発表した。
授賞理由について「国際紛争の解決に尽力し、アルフレド・ノーベルの(平和賞創設の)精神である世界平和の向上と『国家間の友愛』を強めることに貢献した」と評価した。
13日、スウェーデン王立科学アカデミーはノーベル経済学賞を米経済学者でプリンストン大学のポール・クルーグマン教授に授与すると発表した。
クルーグマン氏は専門は国際貿易理論で、生産規模が大きくなればなるほど費用が低下する「収穫逓増」に基づく新貿易理論を確立したことが評価された。
授賞式は12月10日、ストックホルムで行われる。
なお、翌日開かれるノーベル平和賞コンサートのメインアーティストとして今年はダイアナ・ロスが出演する。
投稿者 shoda T. : 2008年10月17日 15:45
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