13日午後10時50分、小惑星探査機「はやぶさ」に収納されていたカプセルが「はやぶさ」から離脱して、南オーストラリアのウーメラ砂漠アボリジニー聖地に着陸し、地球に帰還した。
カプセルの落下地点はウーメラの北西約200キロ地点で、落下予想地点から1キロほどしかずれていなかった。
はやぶさは2003年5月9日に宇宙科学研究所 (ISAS) が打ち上げた小惑星探査機で、イオンエンジンの実証試験を行いながら2005年夏にアポロ群の小惑星イトカワに到達。イトカワの表面を詳しく観測してサンプル採集を試みた後、2007年夏に地球へ帰還し、試料カプセルをパラシュート降下させ本体は突入軌道から離脱して別の目標へ向かわす計画だった。
しかしサンプル採集には成功したものの、2005年7月~12月に姿勢制御装置や化学スラスタが使えなくなるなど、何度かのトラブルに見舞われ、地球への帰還は2010年6月まで延期することが決定された。
その後の遠隔操作やソフトウェアの変更など、数々の努力の結果、航行可能となり、2007年帰還軌道へ乗った。
予定通り今月地球へ到達、小惑星から採取したサンプルを収納したカプセルの分離・回収に成功した。
はやぶさ本体は、当初の再利用計画は断念、数十秒間流星のように輝きながら燃え尽きた。
一方、この5月21日に種子島宇宙センターから打ち上げられた小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」は、6月3日にセイルの展開を開始、10日には地球から約770万km地点にて、セイルの展張と薄膜太陽電池による発電を確認、15日には分離カメラを射出し、セイルを展張したIKAROS全体の撮影に成功した。
「はやぶさ」の大気圏再突入は、幾つかの動画配信サイトでネット中継された他、海外のテレビ局でも中継したところがあったようだが、国内のマスメディアでは中継はなく、翌日になってようやく新聞が一面報道するなど反応が鈍かった。
新聞報道なども、おそらく内容そのものより、ニコニコ動画の中継に約20万人のアクセスが殺到したことなどが引き金になっているような気がする。
IKAROS に至っては・・・
まぁ、宇宙ステーションでの日本人のパフォーマンスなどに比べれば地味で専門的なので、マスコミも飛びつきにくいのかも知れないが、内容的にはいずれもユニークで意味深いものだ、無重力での○○などのパフォーマンスと比較するつもりはないが :-)
特に、イトカワからのサンプル採取と回収や、航行に使用されたイオンエンジンや、これまでSFの中の存在でしかなかった「宇宙ヨット」の実証実験となる IKAROS の「帆」、さらに非常に正確な着地誘導など、多くの世界初への国内での評価の低さが気がかりだ。