« Adobe vs MS: PDFを巡る奇妙なたたかい | トップ | 自分で拍手する?? »

2006年06月09日

村上ファンドのインサイダー取引疑惑、村上氏逮捕へ(ニュースの視点)

#ちょっと書き直してまとめ(^^ゞ

5日、午前11時、東京証券取引所の会見室で、村上ファンドの元(?)代表の村上世彰氏は異例の会見を行った。
それに先立って、東京地検特捜部は、ニッポン放送株を巡るインサイダー取引疑惑で村上氏の取調べを行っていたが、容疑を認めた後の会見である。

同氏は、終始低姿勢、殊勝な表情を崩さなかったようだが、容疑は認めたものの、

>>(ライブドア側から)『ニッポン放送株いいな』という話を聞いちゃった
>>ことが、私にとってのインサイダーじゃないか、ということだった。そん
>>なバカなと思った。

と、今回の疑惑の微妙さを強調。しかし、その後

>>構成要件を考えると、証券取引法にかかるかもしれないし、かからないか
>>もしれない。

と思い

>>(検察と)争い続けることが僕に投資してくれた人のためになるのか?

と思い悩んだ末の決断だとして、最終的に

>>認識が甘かった点について、私自身が罪を認めることが私のやるべきこと。

と判断し、4日の同地検の取調べに対し

>>検事さんのおっしゃる通りかもしれない。

と容疑を認めたことを明かした。そして

>>証券取引法という、証券取引の憲法のような法律を犯してしまった以上、
>>この世界に居続けるのはおかしい。
>>基本的に今日をもってこの世界から身を引く。

と、『引退宣言』した(以上、読売新聞報道より)。
終始一貫して「見解の相違」ないしは「結果的にそうなってしまった」と強調するものだったようだが、その午後には「予定通り」逮捕された。
また、前後して国内に残っている部門だけでなく、シンガポールに移転した部門も含めて、村上ファンドのすべての代表を辞任した。
あるいは、それは検察との取引であったのか、逮捕は村上容疑者だけで、同時に関与したとされている他の幹部三人については逮捕しなかった。
ただ、今後も在宅のまま取調べは続ける模様。

なお、検察側は村上容疑者の会見での発言に対して

>>過失犯のようなことを言っているが、相当事実関係とは違う。

と、徹底的な捜査を行う意向であることを表明している。

「事実関係とは違う」というのは、会見では「たまたま知ってしまった」風な表現を村上氏はしているが、検察側は、村上氏がライブドアへ積極的に働きかけてM&Aへ持ち込んだと見ており、云わば仕掛け人として、「知った」 というより筋書きを書いた上での「インサイダー」と見ている模様。

一方、阪急HDが進めてる阪神株に対するTOBについて、もうなりふり構ってる状態じゃないと判断したのだろう。TOBに応じる旨の声明を5日朝に発表している。
ただし、阪急HDに対しては何のアクションも起こしてないようだ。

また、TOBに応じれば筆頭株主ではなくなるためだろう、阪神電鉄への取締役派遣等の株主提案も取り下げた。また、大阪地方裁判所に出している、阪神電鉄の取締役議事録謄写許可や検査役選任の申請も取り下げたもよう。

そもそも過去のいずれの事例を見ても明らかだが、村上ファンドのやり方というのは、情報リークや積極的な株主提案を振りかざして株価を煽り、高くなった時点で売り抜けると云う、ギリギリの線を積極的に綱渡り・・・というのは一目瞭然のことで、それをインサイダーと見るかどうかに、なぜこれほどまで時間が掛かったのかの方が不思議でならない。

投稿者 shoda T. : 2006年06月09日 12:30

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://shoda.tk/MT/mt-tb.cgi/291

コメント

コメントしてください

名前とメールアドレスは必須です。メールアドレスはブログ上には表示されません。私に届くだけです。 TypeKey ID のサイン・インも必須ではありません。持ってる方だけサイン・インすればいいです。




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)