20日、エクセター大学の天文学者Allan氏とライターのWarden氏が O'Reilly radarの記事で、Apple のiPhone(iOS4)と3G対応版iPad、そしてコンピュータ上のバックアップに、それらの所在地を示す、緯度、経度、タイムスタンプを含んだ詳細な位置情報が保存されている証拠を見つけたと述べている。
この情報は暗号化も保護もされていないという。
両氏は2010年に iOS4 がリリースされたころからこの情報の収集が始まっていると主張している。
Appleは現在 iPhoneや3G対応版iPadを他のデバイスから追跡できる「iPhoneを探す」という無料アプリを提供しているが、両氏が述べているものはこれとは異なり、ユーザが追跡されていることを知らず、この情報を追跡している理由も明らかにされていない、という点で事情が異なっている。
これまでも携帯電話事業者はこの種のデータを保管していたが、裁判所の命令がなければアクセスすることができなかった、と同記事は指摘。
同時に両氏は、デバイスに保存されているすべての位置情報を地図上に表示することができるオープンソースアプリケーション「iPhone Tracker」をリリースした。
この件について、Apple は「iPhoneの位置を追跡したことはなく、今後その予定もない」と否定。収集しているのはユーザの位置情報ではなく、Wi-Fiホットスポットと携帯電話基地局の位置情報であり、個人を特定出来るものではない、と釈明している。
GPSで位置を計算するには数分かかるため、iPhoneはGPSデータとWi-Fiホットスポットや携帯電話の基地局情報を組み合わせて計算時間を短縮しているが、そのデータベースはこれらの各端末から収集したデータを用いているのだと云う。
その一方で、1年間もの長期にわたって位置情報を保存していたのはバグが原因だとし、数週間以内に「バグ」修正したアップデートをリリースするとしている。
この修正でキャッシュをバックアップ保存しないように変更、同時にiPhone にダウンロードするデータベースのキャッシュサイズを縮小し、Location Services をオフにすればキャッシュを消去するよう改善するとしている。