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2011年06月16日

ロス疑惑報道で産経新聞とヤフーに賠償命令。(ニュースの視点)

15日、東京地裁は、ロス疑惑の容疑者として2008年に逮捕され拘留されたロサンゼルス市警の留置場で自殺した三浦和義さんの妻が、産経新聞とヤフーを相手取って名誉棄損で訴えていた訴訟について、原告側の主張の一部を認め、両社に対して計66万円の支払いを命じた。

訴訟は2008年に YAHOO!JAPAN に掲載した写真(1985年当時の手錠姿の三浦氏)や同記事で名誉を傷つけられたとして計660万円の損害賠償を求めたもの。ヤフーは産経の記事と写真を無批判に転載したことで同罪を問われた。

松並裁判長は「記事の内容から、(手錠姿の)写真を公表する必要性は乏しい」として写真について名誉棄損を認めた。一方、記事の掲載は不法行為にあたらないとして訴えを退けた。

産経新聞はともかくとして、契約に基づいて転載したヤフーに対しても名誉棄損を認めた判決は初めてで、もしこのまま判決が確定すれば、自動的に、あるいは契約上取捨選択権なしで転載しているサイトなどにも影響が及ぶとみられる。
ヤフー側は訴訟で「記事などが第三者の権利を侵害するものではないと配信元が保証している」と免責を主張したが、認められなかった。

別件だが、今年4月に最高裁は、共同通信社が配信した記事の掲載による賠償責任をめぐる訴訟で、配信元が真実と信じる相当の理由があれば、掲載した加盟社も名誉棄損の不法行為責任を負わない」との判決を下している。どちらの判決が優勢になるか、注目していく必要はあるだろう。

投稿者 shoda T. : 12:12 | コメント (0) | トラックバック