2011年02月 バックナンバー

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2011年02月10日

スマートフォン、戦国時代へ。(ニュースの視点)

9日(現地時間)、米Hewlett-Packard(HP)は9.7インチディスプレーを搭載したタブレット型コンピュータ「HP TouchPad」と、スマートフォン二機種「Veer」と「Pre3」を発表した。
いずれも同社の「webOS」を搭載したもので、「Veer」は今春、他は今夏に発売する予定。
「webOS」は同社が買収した米Palmが開発していたモバイルOSを引き継いだもの。

9日(現地時間)、米Gartnerが発表した調査結果によると、2010年のスマートフォンの販売台数は前年比の72.1%増で、携帯電話端末全体に占める割合は19%に達したという。
シェア別では、Nokiaの「Symbian」が1位を守ったものの、2009年の46.9%から37.6%へ落とした。一方、2位に浮上した Android は、3.9%から22.7%と急伸、第3位はResearch In Motion(RIM)、4位はAppleのiOSと、iPhoneやAndroidなどの新しいOSが勢力を伸ばしている。
ただ、新機種 iPhone4 を夏に発売開始した Apple だが、シェアは14.4%から15.7%へと、堅調な伸びではあるが、当初の期待ほどではないようだ。

この新旧OSの争いの中に、webOS がどれだけ食い込めるか・・・当面は、採用するのは HP のみということもあり、version 3 となった Android の快進撃は止まることはなさそうだ。

一方、国内ではドコモが4月からSIMロック解除に対応(希望者に有償で?)するほか、ソフトバンクも3日の決算発表の場で、「1~2機種からテストを始める」とコメント。
ドコモ関連では、すでに日本通信がSIMフリーなスマートフォン向けにSIM単独での販売を始めている(ドコモのFOMA網を利用)。
ただ、auなど通信方式の異なるキャリアが混在している国内では、SIMフリー端末が増えたとしても直ちにその恩恵が広く及ぶわけではないし、ドコモなどは、SIMフリー端末を販売するとしても数万円の上乗せを示唆しており国内市場が激変することはありえないだろう。
長期的に見れば、メーカとしては複数通信方式に対応した端末を、キャリア以外のチャネルから販売することは十分あり得るので、そうなった場合にどのような展開が待ってるか、興味深い。

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投稿者 shoda T. : 19:05 | コメント (0) | トラックバック

2011年02月03日

エジプト・・・Google・・・(ニュースの視点)

1月28日00:34am(現地時間)、インターネットの国際ルーティングテーブル上からエジプトのネットワークへの全ルートが突然消えた。
その後も、エジプト全体のほぼ9割以上が「闇」に包まれた状態が続いたが、2月2日11:34am(現地時間)になって復活。現在はほぼ平常に戻っていると云う。

これは反政府運動に手を焼いたエジプト政府が、5社あるという一次プロバイダのうち4社に対して遮断命令を発令、各社がそれに即応した結果。
しかも各プロバイダはルーティングテーブルの書き換えなどの通常の方法ではなく(それだと、全世界に浸透するまで数時間~数日かかる)、いきなりネットワーク機器の電源を落とすことで対応したためらしい。

これに対抗するように、二月になってGoogleはエジプト向けにネット接続なしで Twitter に投稿できるサービスを開始した。

これはインターナショナルな電話番号にボイスメールを残すと、#egypt というハッシュタグ付きでTwitterに自動投稿されるというもの。
投稿されたメッセージは、同じ電話番号に電話をかけて聞くか、Twitterの特別なアカウント(http://twitter.com/speak2tweet)から聞くことができる(実際のメッセージ管理はGoogleが買収した音声プラットフォーム「SayNow」のサーバ上にある)。

なんでもありの Google ・・・面目躍如、か。

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投稿者 shoda T. : 12:27 | コメント (0) | トラックバック

「IPv4アドレス」枯渇へ秒読み。(ニュースの視点)

1日、IANA(Internet Assigned Numbers Authority:全世界のインターネットアドレス資源管理組織)はIPv4アドレス(現在のIPアドレス割当の中心となる方式)の自由配分可能なブロック(/8ブロック)としては最後の在庫となる二つのブロックをAPNIC(アジア太平洋地域のIPアドレスを管理する組織)に対して配分した。
配分可能なIPv4アドレスとしては残りが5ブロックとなるが、これは5つのRIR(地域毎管理組織でAfriNIC、APNIC、ARIN、LACNIC、RIPE NCCの5つ)に一ブロックずつ割り振ることが決まっており、近く実施される予定で、IANAとしてのIPv4アドレスの在庫は無くなる。

各地域管理組織としての在庫はまだ残っているので、すぐ枯渇とは成らないが、ここ近年需要が急増しており、予想が早まっている。たとえば日本が含まれるAPNICの在庫は、向こう3~6ヶ月で底をつくと予想されている。

IANAあるいはAPNICなどの在庫が枯渇したとしても、すでに配分されたユーザの手持ち分には余裕のあるところも多いし、各プロバイダではユーザに対して固定IPで割り当てているところは(全体としては)少なく、直ちに何らかの影響が出てくることはない。
また、最近は新しい割り当て方式(通信方式)であるIPv6アドレスに切り替えているところも増えており、ソフト側でも直接対応したものが増えている。また、たとえ対応してなくとも、Windows などのOSレベルでIPv4からIPv6への自動変換などをサポートしているので、エンドユーザレベルには何の影響もないと考えて良い。

それでも予想より早く「枯渇」しそう、と言うニュースはやはり気持ちの良いものではない。これを機に、IPv6アドレスへの切り替えも加速するのだろうか。

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投稿者 shoda T. : 11:01 | コメント (0) | トラックバック