2010年06月 バックナンバー

« 2010年05月 | トップ | 2010年08月 »

2010年06月29日

無制限データ通信プラン廃止で、AppleとAT&Tに集団訴訟。(ニュースの視点)

6月24日(米国時間)、米Lieff Cabraser Heimann & Bernstein(法律事務所)が明らかにしたところによれば、米AT&Tが定額の無制限データ通信プランを廃止する決定をしたことを受け、米国消費者が米Appleと米AT&Tを相手取り集団訴訟を起こした。
原告は、AppleとAT&Tが第3世代(3G)通信機能を搭載したiPadを購入する消費者に対して正確な情報を与えなかったと主張している。

原告によれば、AppleとAT&Tは、3G搭載iPadでは定額の無制限データ通信プランを選択し、月単位で無制限と制限付きのプラン切り替えができると説明していた。ところが、iPad発売の約一ヶ月後、AT&Tは新たなデータ通信プランの導入を発表し、全体の価格を下げる代わりに無制限プランの廃止を決めてしまった。
背景には iPhone や iPad により急激にトラフィックが増大しており、頻繁に接続出来ない状況が続いているが、回線増強は簡単には出来ないため、各ユーザの総量規制(制限)はやむを得ないとの判断とみられている。

原告側弁護士Michael W. Sobol氏は「無制限データ通信プランを使えることが、余分な金額を払って3G搭載iPadを購入した理由の一つだ。月ごとに切り替えられる点も重要な判断材料だった」と説明している。

スマートフォンの増加に伴い、携帯回線でのパケット通信量が飛躍的に増えているようです。原因の一つには、回線容量など考慮しない iPhone OS の「贅沢」な仕様にもあると私は思ってますが、Apple は広告配信など、さらに通信料を増やす計画も持っており、AT&T はそれに「先手」を打とうとしたのでしょう(笑

同様の回線閉塞状態は、早晩にソフトバンクにも訪れるはずですが、ソフトバンクはどのような手を打とうとしているのでしょうか。
日本ではすぐに集団訴訟が起こるとは考えにくいですが、それでも接続出来にくい状況が続けば、「従順」なアップル(マンセー)ユーザも黙っていないでしょう。その矛先が、Apple ではなく、ソフトバンクにのみ向かうのは目に見えてますが(苦笑

...
投稿者 shoda T. : 19:30 | コメント (0) | トラックバック

2010年06月24日

Viacom対YouTube(Google)訴訟で、第一審がGoogleに有利な判決。(ニュースの視点)

23日(米国時間)、米連邦地方裁判所のLouis Stanton判事は、YouTubeをめぐりViacomがGoogleを訴えている著作権侵害訴訟について、Googleに略式判決を出した。
裁判所は、YouTubeはデジタルミレニアム著作権法(DMCA)のセーフハーバー条項によって保護されているとの判断を示した。

これに対してGoogleは「この判断を受け、YouTubeのようなオンラインサービスはオンライン上の著作権管理に著作権保有者と共同で取り組んでいる場合は法の保護を受けるという統一見解が、司法界で確立される」として歓迎の声明を発表した。
一方、Viacomは「下級裁判所によるこの判断には根本的な欠陥があり、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の文言に反していると確信している」との声明を発表。「われわれはこれらの問題を、早急に第2巡回区連邦控訴裁判所に上訴するつもりだ」との意向を示している。

Viacomは2007年3月、Googleはユーザに著作権の侵害を促していると主張し、Googleを相手に損害賠償額10億ドルの訴訟を起こした。
当時はまだフィルタリングシステムなどのコンテンツ保護措置を実装しておらず、YouTubeには著作権者の許可を得ていないテレビ番組や映画の映像が普通にアップロードされていた。

Googleは、同社をはじめとするインターネットサービスプロバイダーは、DMCAのセーフハーバー条項によってユーザが犯す著作権侵害の責任から守られていると主張。今回、判事はこのGoogle側の主張を受け入れた形だ。

判事は「サービスプロバイダーが、侵害に関してはっきりとした事実を認識している場合、このプロバイダーはその侵害した素材を即座に取り除かなくてはならない」とし、「サービスプロバイダーが気づいていない場合、侵害を明らかにするための負担は(著作権の)所有者にある。侵害行為が『偏在している』という漠然とした認識が、侵害行為の発見のためにサービスプロバイダーによるサービスの監視や捜索を義務づけることにはならない」と語った。

ただし、MGMとGroksterの訴訟では地方裁判所と第9巡回区連邦控訴裁判所が下した判決を連邦最高裁判所で全会一致で覆されている。今回も同じことが起こるだろう、と予測する向きも多い。

注:セーフハーバー条項:
米国著作権法第512条の「オンライン・サービス・プロバイダの責任制限に関する規定」
概要は「オンライン・サービス・プロバイダがnotice & take down条項(512条(g)項)に定められた一定の手続に基づいて削除等を行っていれば問題がない」とするもの。

...
投稿者 shoda T. : 22:00 | コメント (0) | トラックバック

経産省「たんすケータイあつめタイ」で約57万台の携帯を回収。(ニュースの視点)

経済産業省が2009年11月末~2010年2月末に実施した使用済み携帯電話の回収事業「たんすケータイあつめタイ」の結果を発表した。
それによれば、期間中に回収された端末は56万9464台で、回収された携帯電話に含まれる金属量は推計で金22kg、銀79kg、銅5690kg、希少金属のパラジウムは2kgにのぼると云う。
経産省は、これらの希少金属で得られる収入は1台あたり138円と試算。

一方、今回のキャンペーンでは事業運営費や懸賞用のインセンティブに多額の経費を使っているため、一台あたりのコストは661.7円になったが、実質的な回収・処理費用は1台あたり101.7円と試算、差額36.3円の金属売却益が得られる計算になるとしている。
今回の実証事業を一年間継続実施した場合には、約1085万台を上回る台数を回収すれば、損益分岐点を越え利益が出せるとしている。
また、この台数を確保するために必要な協力店舗数は9836店で、現行の1万3000店舗の8割弱なので、同事業は継続の可能性があると結論づけている。

ま、お手盛りみたいなもんですな。
なお、今回協力したのは携帯電話販売店や家電量販店など1886店で、「現行の」と云うのは、あくまで可能性ある全店舗数。その8割に協力させようと云うのは、法律でも作って強制しないと無理でしょ(-_-;)

それに、こういうのって、儲かる必要はないと思いますが、損益分岐点を云々するなら、インセンティブ付けない時の減少率を見込まないのはインチキだし、タダで協力させている店舗にはどんな利益があるのかとか、お手盛りじゃない明確な意義を示せよ、と思うのは・・・

...
投稿者 shoda T. : 19:48 | コメント (0) | トラックバック

2010年06月17日

東京都の「青少年の健全な育成に関する条例」が否決、廃案に。(ニュースの視点)

16日、東京都議会本会議が開催され、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の改正案は、最大会派である民主党などの反対多数で否決された。

この改正案は「非実在青少年」と云う耳慣れない言葉を生みだしたことで有名だが、改正案の一つの柱は、青少年の携帯電話での被害を未然に防ぐことを目的としたインターネット利用環境に関するもので、

・携帯電話機の都推奨制度の創設
・フィルタリング解除手続きの厳格化

などである。
しかし推奨基準が示されていないことや、解除の正当な理由やその他の事項を記載した書面を提出するとしているが、対象が誰で、正当な理由が何を指すのか、その他記載する事項等、具体的な規定が何もない。
つまり運用により、いくらでも拡大解釈出来、過剰規制につながる可能性があるわけで、「不健全図書」の指定と共に多くの反対がなされていた。

当初この改正案は3月に成立する予定だったが、3月の本会議では、改正案は検討が不足しているとして継続審議となっていた。

とりあえず、これだけ問題の多い改正案が廃案になってよかったです。
頭の硬直した石原知事は、まだまだこの種の規制を進めたいでしょうが・・・

それにしても、この知事・・・当時としては衝撃的な小説「太陽の季節」でデビューした作家と同一人物とは思えないです(苦笑
もしあの当時、この「条例」があれば、真っ先に不健全図書に指定されていたでしょうね。
・・・否、ちゃんと抜け道が作ってありましたね。マンガなどの視覚キャラクターだけで、小説は対象外でした(笑
抜け目がない(-_-;)

...
投稿者 shoda T. : 17:59 | コメント (0) | トラックバック

2010年06月16日

「はやぶさ」は帰還し、IKAROSは「翼」をひろげた。(ニュースの視点)

13日午後10時50分、小惑星探査機「はやぶさ」に収納されていたカプセルが「はやぶさ」から離脱して、南オーストラリアのウーメラ砂漠アボリジニー聖地に着陸し、地球に帰還した。
カプセルの落下地点はウーメラの北西約200キロ地点で、落下予想地点から1キロほどしかずれていなかった。

はやぶさは2003年5月9日に宇宙科学研究所 (ISAS) が打ち上げた小惑星探査機で、イオンエンジンの実証試験を行いながら2005年夏にアポロ群の小惑星イトカワに到達。イトカワの表面を詳しく観測してサンプル採集を試みた後、2007年夏に地球へ帰還し、試料カプセルをパラシュート降下させ本体は突入軌道から離脱して別の目標へ向かわす計画だった。

しかしサンプル採集には成功したものの、2005年7月~12月に姿勢制御装置や化学スラスタが使えなくなるなど、何度かのトラブルに見舞われ、地球への帰還は2010年6月まで延期することが決定された。

その後の遠隔操作やソフトウェアの変更など、数々の努力の結果、航行可能となり、2007年帰還軌道へ乗った。
予定通り今月地球へ到達、小惑星から採取したサンプルを収納したカプセルの分離・回収に成功した。
はやぶさ本体は、当初の再利用計画は断念、数十秒間流星のように輝きながら燃え尽きた。

一方、この5月21日に種子島宇宙センターから打ち上げられた小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」は、6月3日にセイルの展開を開始、10日には地球から約770万km地点にて、セイルの展張と薄膜太陽電池による発電を確認、15日には分離カメラを射出し、セイルを展張したIKAROS全体の撮影に成功した。

「はやぶさ」の大気圏再突入は、幾つかの動画配信サイトでネット中継された他、海外のテレビ局でも中継したところがあったようだが、国内のマスメディアでは中継はなく、翌日になってようやく新聞が一面報道するなど反応が鈍かった。
新聞報道なども、おそらく内容そのものより、ニコニコ動画の中継に約20万人のアクセスが殺到したことなどが引き金になっているような気がする。
IKAROS に至っては・・・

まぁ、宇宙ステーションでの日本人のパフォーマンスなどに比べれば地味で専門的なので、マスコミも飛びつきにくいのかも知れないが、内容的にはいずれもユニークで意味深いものだ、無重力での○○などのパフォーマンスと比較するつもりはないが :-)

特に、イトカワからのサンプル採取と回収や、航行に使用されたイオンエンジンや、これまでSFの中の存在でしかなかった「宇宙ヨット」の実証実験となる IKAROS の「帆」、さらに非常に正確な着地誘導など、多くの世界初への国内での評価の低さが気がかりだ。

...
投稿者 shoda T. : 23:43 | コメント (0) | トラックバック

2010年06月08日

制度疲弊(日常非日常)

LZH(LHA)形式に関して、ウィルス対策ソフトベンダーやセキュリティ情報を統括する IPA/JVN のあまりに無関心で非協力的な態度に業を煮やしたMiccoさんの「LZH(LHA)形式の使用中止の呼びかけ」が波紋を広げているようだ。
まぁ、私は関係ない「部外者」らしいので :-) 高みの見物を決め込もうかとも思っているが(w

それにしても、好意的な反応をする人もいるが、総じて IPA 側かその近くにいると思われる人の恣意的で自己弁護的な論調には、思わず笑ってしまう。わからんのかねぇ、あなた方のそういう態度こそMiccoさんを怒られ呆れさせた元凶だということが。
やはり、こういうのも制度疲弊と云うのだろうなぁ、と思う。

特にこの人はひどい。

http://twitter.com/hasegawayosuke/status/15614339358


UnLHAがIPAで不受理だという件、http://bit.ly/dcnPnQ を見る限り制度の理解不足による誤解でしかない。

http://twitter.com/hasegawayosuke/status/15614795535


そもそも現行のIPAの制度ではアンチウイルスで未検出については対象外なので不受理

http://twitter.com/hasegawayosuke/status/15614841340


CVE番号欲しいなら英語でbugtraqにでも投げればいい。

そもそもあなたたちは何のためにリストを作り、日本語で公開しているの?
日本のユーザを危険から守るための情報を提供するのが目的でしょ?
だったら形式がどうの、制度にマッチしないだのってお役所根性丸出しな事言ってないで、有用な情報が提供されたのなら、それを活かす努力をすべきではないのかい?

まして「CVE番号欲しいなら」って、もうバカとしか言いようがないね。誰がそんなものを欲しがってる?
日本語も読めないのか。ま、英語は得意なんでしょうけど:-(

Miccoさんを代弁するのではないが、最大の問題は

JVNVU#545953:複数のアンチウィルス製品に脆弱性

ここで

複数のアンチウィルス製品には、圧縮アーカイブの処理に脆弱性が存在します。

と包括的に表現しているにも関わらず、実際は CAB と 7z のみ(強いて加えれば ZIP?)だけを対象としている(らしい)点だ。繰り返すが、対象形式は明記されていない。
にも関わらず、まったく同様の危険性のある LZH 形式に対して問題のあるベンダーが「該当なし」と報告している点も問題だ。
その点を指摘したMiccoさんに対し、明確な理由の説明もなく、単に却下してしまった IPA/JVN をMiccoさんは問題にしているのである。

正確を期するために、Miccoさんの文章を引用しておく(私の独断で改行を入れ箇条書き化してます)。


  • ベンダーについては「説明等を行ったあとは 3 年以上梨の礫で対応も行われていない」

  • JVN / IPA については「『ZIP, CAB, 7z 書庫など, 脆弱性情報として公開されている同様のケース (上記:JVNVU#545953) と何が異なるのか?』といった質問に対して未回答だった

  • 3年半前の不受理の理由:「それは脆弱性ではなく, ソフトの機能・性能の問題」

  • 今回の不受理の理由:未回答

で、その後・・・これだけ問題が大きくなったためか、JVN からMiccoさんに接触(?)があり、上記:JVNVU#545953への追加情報として扱う形に落ち着くようだ。
でもね、JVNVU#545953って参考情報では、ZIP, CAB, GZIP, 7Z and RAR形式だけが、関連CVEでは CAB と 7z のみが記載されているわけで・・・具体的にJVNVU#545953がどのように修正されるのか注目していかなければ。

...
投稿者 shoda T. : 00:00 | コメント (0) | トラックバック

2010年06月06日

りんごとメディア・・・見栄えがすべてなのか?(日常非日常)

ま、敢えて触れないようにしている話題がいくつかある。理由は様々なんだけど、たとえばリンゴマークの似非PCだとか、iPadなんてのは、アホらしいからに尽きる。
何がアホらしいかと云うと、メディアやゲイジュツカとかマスコミ人の取ってつけたような礼賛論なんかだ。
iPad?そりゃ買わざるをえないでしょ?
三日我慢してましたが、やっぱり買わざるをえないという結論に云々
もうねぇ、アホ化ですね、こりゃ。
それとも・・・オタクら、いくら広告費貰ってんの?

さらに、画期的なUI云々等々の礼賛に至ると、もうあいた口もふさがらない。

ふつう・・・どんなに画期的であろうと、いや、画期的であればあるほど、最初の印象は悪いし、慣れるまでは大変なはずだ。それが発売初日から「画期的」だの「使いやすい」だのなんだのって言われてもねぇ・・・

だから避けていたのだ、使ったこともないものを批判しても説得力ないもんなぁ。
でも長年月この業界で生きて来たんだから、鼻は利くんだよ(w

そんな礼賛論の嵐の中、ようやく納得出来る記事に出会った。いや、もしかすると唯一かもしれない、こんな率直な記事を書く人は。

Jakob Nielsen博士のAlertbox:iPadのユーザビリティ:ユーザーテストからの最初の所見


要約:
iPadのアプリは一貫性に欠け、機能の発見しやすさの点で劣るため、
ユーザーの偶然のジェスチャーによって、エラーが頻繁に起きてしまう。
あからさまな印刷物のメタファーと奇妙なインタラクションスタイルは
さらなるユーザビリティ上の問題を引き起こす。

Jakob Nielsenはかなり長い間ユーザビリティの研究を続けており、この分野では第一人者と謂われる人だ。
しかも、記事の中身は個人的な感想や考察ではなく、何人ものユーザに実際に使わせてみて、そのデータをもとにした考察だけに説得力がある。
「最初の所見」と謙遜しているが、おそらく時間が経っても、この人の iPad に対するスタンスは変わらないだろう。

そして、日頃から私がアップルや iPhone/iPad 等に抱いている思いを、この人は一行で簡約してくれる。

しかし、機能やコンテンツから真の恩恵を得るためには、美しさのために実際のアプリの利用を犠牲にすべきではないだろう。

そうなのだよワトソン君。外見に惑わされてはいけないのだ。

...
投稿者 shoda T. : 22:49 | コメント (4) | トラックバック

2010年06月03日

鳩山首相退陣、小沢氏も民主党幹事長を辞任。(ニュースの視点)

2日、鳩山首相は、米軍普天間飛行場移設問題を巡る混乱の責任をとり、衆参両院議員総会で退陣を表明した。
また、同日夜の記者会見では、次期衆院選挙には出馬しない意向を 表明した。
それに先立ち、小沢民主党幹事長に対して辞任要請を行ったとされ、小沢氏もこれを了承し、辞意を表明した。
民主党はただちに後任の党代表(つまりは首相候補)の選出に入り、菅直人氏と樽床伸二氏が立候補、4日の代表選で決める。その後、直ちに組閣に入り、4日中に新しい内閣を決める予定。

...
投稿者 shoda T. : 21:44 | コメント (0) | トラックバック