20日(現地時間)、米GoogleはGoogleの実験的なサービスを公開してきた「Google Labs」を終了させると発表した。ラリー・ペイジCEOが第2四半期の業績発表時に打ち出した「製品への集中」の取り組みの一環という。
Google Labsは、Googleの従業員が「20%の自由時間」で開発したβ版のサービスを公開するサイトとして公開されていたもので、Google Mapsや Google Readerなどの多くの正式版のサービスも、Labsで立ち上げられ、同社の自由闊達な社風と多彩なサービスの急速開発の象徴のような存在。
現在も「Body Browser(3D人体模型)」や「Swiffy(Flash→HTML5変換)」など約80のサービスが提供されている。
いくつかのサービスや技術は関連する製品に統合されるほか、Androidアプリは、今後もAndroid Marketでの提供を続けるが、その他のほとんどのサービスは終了する。
Google Labs はGoogle独自のアイデアと云うより、オンラインソフトの開発手法(公開β版→製品化)の Google的展開ともいうべきもので、開発手法や経営的視点からは決して効率の良いものではないでしょう。
実際、Google Mapsなどの成功例よりも、アイデアが実ることなく葬り去られたものの方が多いと思います。特にSNS関係は二転三転を繰り返し、最近になってようやく Google+ と云う形にまとまりつつあるわけですが・・・
その Google+ も、希望者が殺到した(リソースが足りない?)ことを理由に、クローズドなβテストになってしまったようで、このあたりも Google Labs の閉鎖と関係しているのでしょうか。
ただ、開発効率だけを追求するような今回のCEOの決定は、決して Google の将来にはプラスにならないと思います。これを機に「製品への集中」と云う開発者への「締め付け」が強化されれば、スピンアウト(離散)が進むのではないでしょうか。
それはインターネットの開発社会にとっては結果的には良いこととなる可能性はありますが、多くの痛みを伴いますし、Google の変質を促し、そしてこれまで多くの成長企業が辿った道・・・成長から停滞、衰退へ・・・を Googleもたどる可能性を示してもいるわけです。
別の言葉で言えば Google 神話の終焉、でしょうか。